放課後の理科室。生徒たちは誰もいない。薬品の匂いと、閉め切られた室内にこもった湿気が、妙に肌を這う。HARUは実験台の隅に立ち、ゆっくりとシャツのボタンを外していく。
誰かが使ったばかりの体操服が、まだ片隅に置かれていた。鼻を近づけると、かすかに汗と体温の残り香。喉が鳴る。自分が教師であることなど、今は関係なかった。張り詰めた理性が、フェチと欲望の前に崩れていく。椅子には座らない。立ったまま、下半身に手を伸ばし、熱を持った自分を確かめる。
思い出すのは、無防備に笑っていたあの生徒。滴る汗、蒸れた制服、ぬるい教室の空気。その全てが、今も頭から離れない。息を潜め、HARUは静かに果てを求めて、記憶の中に沈んでいった。